パリ・ローマ幻想紀行

コンスタンティヌスは、勝利の恩返しとして、サンピエトロ大聖堂を起工したのです」
更にガイドさんは説明を続けた。
「フォロ・ロマーノの生活の一端を覗いてみましょう。皇帝は、ローマ市民の気を引き付けて、自分の権力を維持するために、市民権と言う特権を布きました。
 この市民権と言うのは、現在私達が認識しているものと全く違うのです。ローマ市民はこの市民権に溺れ、働かないで朝から風呂に入り、朝から夜まで酒宴を交わし、寝椅子に体を横たえながら食事をし、剣闘技場で猛獣に殺される人間の血に興奮し、転倒した御者が後続の馬車にひかれて死ぬのを見て興奮するのです。
 このように、堕落し逸楽な社会は、そう長くは続きません。ローマは衰退の一途をたどり、ついに滅びるのです。
 このような、ローマ市民の堕落した逸楽な生活に背を向けた一握りの集団がありました。それは、イエスの教えを忠実に実践し、質素な生活に甘んじていた者達です。そして、ローマが衰退するのとは逆に、イエスの教えを唱える人の数が増大したのです」
 また、私の回りから、突然に音が消えた。