また、周りの雑音が消えた。
「あなたのことばは何ですか?」
「あなたには、見える筈じゃがの」
「私には、あなたのことばとして、罪を憎んで人を憎まず、と見えます」
「そうか」
「我が子の死を嘆いているようには見えません」
「それでよいのじゃ」
「我が子の死を嘆いているのであれば、泣きわめいて両手でイエスを抱きかかえ、ほほずりする構図であると思います。あまりにも静か過ぎます」
「そのように見えるか」
「はい、そのように見えます。我が子の死に対する嘆きであれば、マリアの視線はイエスの目を指している筈です。マリアの視線は空(くう)を指しております」
「そうじゃ」
「イエスを殺した貧しき者に対する嘆きも見えません。この大聖堂に集い住んでいる貧しい者への戒めも見えません。ただ殺した者も憎まず、殺された我が子への悲しみも持たない。ただ静寂のみが見えてきます。善もなく、悪もないただ静寂のみが見えてきます」
「そうか、そのように見えるか」
「罪を憎んで、人を憎まず、という静寂が見えます」
「それでよいのじゃ」
「あなたのことばは何ですか?」
「あなたには、見える筈じゃがの」
「私には、あなたのことばとして、罪を憎んで人を憎まず、と見えます」
「そうか」
「我が子の死を嘆いているようには見えません」
「それでよいのじゃ」
「我が子の死を嘆いているのであれば、泣きわめいて両手でイエスを抱きかかえ、ほほずりする構図であると思います。あまりにも静か過ぎます」
「そのように見えるか」
「はい、そのように見えます。我が子の死に対する嘆きであれば、マリアの視線はイエスの目を指している筈です。マリアの視線は空(くう)を指しております」
「そうじゃ」
「イエスを殺した貧しき者に対する嘆きも見えません。この大聖堂に集い住んでいる貧しい者への戒めも見えません。ただ殺した者も憎まず、殺された我が子への悲しみも持たない。ただ静寂のみが見えてきます。善もなく、悪もないただ静寂のみが見えてきます」
「そうか、そのように見えるか」
「罪を憎んで、人を憎まず、という静寂が見えます」
「それでよいのじゃ」



