宗治が帰ってから、静乃は悶々と悩んだ。



疾風と話してみる？



いや、無理。



自分の中のもう１人の自分が疾風に会うという選択肢を否定する。



でも、会わなきゃ仲直り出来ない。



うーっ、と静乃の唇から声がもれる。



「疾風が悪いんだよ。」



そう、疾風が悪い。



静乃には関係ないなんて言うから。



あれには傷ついた。



「幼なじみ」という関係を決定付けられた気がした。



恋愛に発展する事はないのだと。



そう言われた気がした。