「なんかね、結婚すると学費半分になるらしいよ」


『そんなことはどうでもいいわよ。あなたそんなことするために大学行ったの?勉強するためじゃないの?』


「勉強は結婚してもできるよ。ただ好きだから結婚するのはダメなの?」


『好きなら卒業してからすればいいじゃない。待てない理由があるの?』


「今したいの」


『だから、それはなんでなの?お互いの気持ちがあれば卒業まで待てるでしょ?』


「あ、はじめまして。電話代わりました」


圭介は人の電話を途中でとる常習犯なんだろうか。


「お母さん、そんな難しく考えないで。もっとグローバルにいきましょうよ。学生結婚とか今珍しくないし」


長々と饒舌にうちの母に圭介はしゃべっていた。

けれどいきなりお母さんも首を縦に振るわけもなく電話は終わった。