「…あ、もうこんな時間っ!」





突然ケータイを確認したかと思うと、真里が席を立ちあがった。











「え!?もう帰るの?」


時間はまだ、17時前。




「うん、あんまり遅くなると旦那も心配するし」



確かに、妊婦の奥さんだったらとても心配になるだろう。


こんなふとした言葉に改めて、感じさせられる…。



真里はもう、人妻でお母さんなのだと。




「ごめんね!すっごい楽しかった!また誘ってね♪」


ばいばーいと手を振りながら、彼女は消えていった。



そうすると、急に席が広くなった気がする…。




あたしの向かい側、聖花たちが座っていう側は、3人。

それに比べ、真里が居なくなったこっちは、あたし1人。



……なんとも、バランスが悪い。