とくに急いでいる様子もない。


なのに、満開に咲くさくらに
見向きもせずに歩き去ってしまった。
その背中はとても悲しそうに見えた。



「川島さん・・・」



何故かすごく気になった。


勝手にいろんなことを想像した。


そして俺は思ったんだ。
このさくらを立ち止まってみてほしいと。