トモさんて万人に優しいイメージだから、お婆ちゃんをそういう目で見てたっていうのが
すごく意外


「で、ある時ホントにポックリ逝っちゃってさ。当時のオレは、つまんねー人生だなとか思ってたワケ


でも。高校ん時位からかな、ボランティアでデイサービスに行く機会がちょこちょこあって。そこにいるお年寄りの人たち・・・ホントに楽しそうだったんだよな。そこで働いてる子の話だと、家で無口な人もここにくると自然に笑顔になるって


同年代の人と塗り絵したり、手遊びしたり、職員と一緒にしりとりやスゴロクしたり。やってる内容は、小さい子がやるような簡単な遊びなんだけど、みんな必死にやってる


そういえば婆ちゃんが家にいても、母さんは仕事が忙しくて相手できてなかったし、オレもあんな態度だったから、実は婆ちゃんも諦めてたのかな、とか思ったりしてさ」


そうなんだ・・・。うちのお婆ちゃんも、私が物心つく頃から無口だったな


「婆ちゃんが亡くなった後に、婆ちゃんが最後に入ってた老人ホームの人に教えてもらったんだけど。引き出しの中に家族の写真を入れてて、ご飯は遊びで移動する時はポケットに入れて、いつも写真に話しかけてたよって言われたんだ・・・何かショックだった


婆ちゃんの中では、現実のオレたちはもう家族じゃなかったのかな・・・って」