「だって…あんなにいい歌歌うのに。何度かプロダクションから声かけてもらったって、彗から聞いたよ?


今なら間に合うから。私の知り合いに音楽関係の仕事してる人いるから話してみようか…」


おばさんの声を遮るように、ミタカさんは、大人が子供にするように、彼女の頭を上からポンと軽く叩いた


「だから、もういーんです。いつまでも地に足が着かないのは、性に合わないんで


おばさんが一番知ってるっしょ。オレが一度言ったら人の意見聞き入れない頑固者って事


ボス、これから一生懸命やるんでよろしくお願いします」


そう言って、ミタカさんはフワリと笑った


今日のミタカさんは…私が今まで持っていたイメージを、見事に裏切ってくれた