でも。 どうして…。 頭の中が真っ白に なって気がついたら 涙がぼろぼろと 落ちていました。 「あ…、すいません。 この色返しますから!!」 彼はびっくりしたように 言いました。 コバルトグリーンが もうなくなってしまったから 私が泣いているとでも 思ったのでしょうか。 彼は当然、私のことなど 知るわけもありません。 きっとこの私の変な態度に 困惑しているのだと思います。