「ちょっと、南驚くでしょ~?」



綺羅は先生にばれないようにコソコソと話し出した



「だって、綺羅、自分の世界に入りまくりって感じでさっきから何回も名前読んでるじゃん。何度も呼んでるのに気づかないから肩を軽く叩いただけなのにあんな大声出しちゃって。目立ちすぎ」



「何回も呼んだ?」



「そうだよ、何か考え事?悩みとか?」



「ん~~~~~悩みというか気になるっていうか・・・・」



「何々?恋愛系?お姉さんが相談に乗ってあげるよ話してごらん!」



「あのさ・・・・」



キーンコーンカーンコーン



綺羅が話を始めようとしたとき授業の終わりを告げる鐘が鳴り響いた



「南、話はまた後でいいかな?これから寛人に本を借りる約束してたんだ
ちょっと8号棟行ってくる」



「わかった、じゃあさお昼一緒に食べようよ。12時半に学食で待ってるよ」



「OK」



そういって綺羅は寛人のいる8号棟に向かった



この大学はマンモス大学で綺羅の通う文学部から寛人の通う医学部まで一まとめに同じ敷地内に分散されて校舎があった。



同じ敷地内といっても8号棟つまり医学部はかなり奥にあって隣接している付属病院の隣に位置していた。