寛人の詳しい説明で綺羅も先生の置かれている状況がなんとなくわかった。
実際、患者の先生を見てないのであくまでも私たちの憶測だけど、多分寛人の話からすると間違えはないのだと思う。
あの日、先生は肩を震わせて泣いていた・・・・・・
夜のときも私が逃れようとしたとき、もう少しこのままでって言ってた
どちらにしても相馬先生は何らかの悩みを抱えている事はわかった。
寛人はかかわらない方がいいって言うけど、気になるな・・・・・・
「綺羅、何神妙な顔しているんだよ。お前まさか、好きな奴ってあの高校教師のことなのか?だからそんなに気にしてるのか?」
「違うよ、たださ、男の人が泣くなんてどうしちゃったのかなって気になってさ。
それに、私の好きな人は先生ではありませんから!」
「あっそう!じゃあ誰だよ綺羅の好きな奴って!いい加減教えてくれてもよくね?」
私たちのやり取りを見ていた南が口を挟んできた
「寛人は彼女とどうなのよ」
「オレのところはまあいいじゃん!」
「何言ってるのよ人の恋話聞くからには自分のを先に話すべきじゃなくって?ねえ綺羅?綺羅も寛人のラブラブな話聞きたいよね?」
「えっ?」
急に話を振られたので綺羅は驚いて手元においてあったグラスを倒してしまった
「あ~ごめんごめん」
布巾でサッと何事もなかったように拭いてたとき寛人はイジワルな目で
「綺羅、何ボーっとしてんだよ!」
といって髪の毛をクシャっと触ってきた

