突然の事で綺羅は胸を押しのけ離れようとしたがそれは叶わなかった



「ごめん・・・・もう少し・・・この・・ままで・・・」



擦れた声が聞こえた
先生の身体は微かに震えていた


綺羅はどうしたものかと思ったが、寛人がこちらをじっと見つめているのに気がつき
思いっきり先生を突き飛ばした。


「すみません・・・・わたし・・・もう帰ります」


先生は綺羅を射抜くようなまなざしで見つめていたがしばらくすると


「伊藤・・ごめんどうかしてた・・・・・・待ってるの彼氏だろ」



そういって寛人のほうを見るともう一度「ごめん忘れて」といってその場を去った