「初めて会うやつもいるから綺羅から自己紹介して!じゃ綺羅からね」


「伊藤綺羅文学部2年です。よろしくね」


当たり障りのない自己紹介を終えたとき、寛人が隣に来てコソコソ話し出した


「綺羅、お前の前の男いるだろ。お前のファンらしいぜ」


寛人から聞かされさりげなく目の前の男性を見た


やわらかそうな髪の毛と笑ったときたれ目になるやさしい笑顔の男性が南の横で何やら楽しそうに会話していた。


「お前も、そろそろ彼氏作れよ。カズは実家の親も医者だし将来有望だぞ」


コソコソと寛人が話しかけてきているのをカズと呼ばれている男性がこちらをチラッと見てきた。