「そんなことね~よ。まあ、最近はなかなか会えねえけど電話やメールは毎日してるからさ」



「ハイハイ、お熱いことで。うらやましい限りだわ」



「お前も、派手な仕事してる割にはまじめだからもうちょっと弾けてもいいんじゃねえの好きなやつとかいねえの?」



うらやましい限りって言うのは二人がうらやましいんじゃない
寛人にそんなに大事にされている彼女に対しての気持ちだった。



「好きな人?まあ、いる事にはいるけど・・・・・・・」



「マジ?誰だよ」



「寛人には教えない。幸せな人には内緒」



「何だよ、教えてくれてもいいじゃん」



「フフフな~いしょ!」



言えない・・・・・・



だって気持ちを封印したんだもん・・・・・・



「ごめん、南とこれからお昼食べるんだ!本、ありがとう!またね~」



そそくさ逃げるように離れると寛人が大きな声で言った



「綺羅、今度飲みに行こうぜ」



私は答えるように後ろを降り向いて大きな丸を作った



それをみた寛人はまたあの笑顔で手を挙げて「じゃあな」といった。