「綺羅、上向いて」
頭一つ分高い寛人の目を見上げるように見ると優しい寛人の笑顔があった。
「綺羅、大好き」
そう言って寛人は綺羅のまぶたにキスをし抱きしめた。
「やべえ・・・本当は綺羅のここにキスして―けどここでは無理だな」
そう言って綺羅の唇を親指でなぞった。
そう、さっき図書館から出てきて裏庭とはいえここはまだ学校の中。
周りにもちらほら学生もいてキスなんてしてたら目立ってしょうがない。
ましてや、女性の方は今をときめくカリスマモデル。
今のこの状態をツイッタ―なんかであげられたらたまったもんじゃない。
「綺羅、これから俺の家行くぞ」
「え?・・・あの・・私まだ午後授業が・・・」
「は?マジかよ。さぼれ」
さぼれって・・・。
「お前の荷物これだけ?」
そう言ってヒョイと綺羅のバッグを奪ってスタスタ行ってしまった。
「まって」
「早く来いよ」
そう言って寛人は右手を差し出した。
綺羅は差し出された手に左手を重ねた。
それだけで心臓が飛び出すほどドキドキが止まらなかった。

