「あのね、さっきカズとご飯食べてたって言ったでしょ?そこでカズがね、寛人彼女と別れたって言ってて、それ聞いた時、もしかして別れちゃった理由はこのあいだ、私が寛人にあんなこと言っちゃったからかな~って思ってちょっと気になっちゃって」
「カズから聞いたんだ」
「うん」
「まあ、別れたって言うのは本当。前々から遠恋ってこともあってギクシャクしてたっていうのもあるんだけどな。でも、綺羅が原因っていうのも合ってる」
「え!?、私のせい?どうしよう、ごめっ・・・・」
綺羅が謝ろうとしたその時、寛人が綺羅の腕をとって胸に抱きしめていた。
突然のことに驚く綺羅であったが耳に届く寛人の胸の鼓動がいつになくドキドキしていたのでじっとしていることにした。
「俺の心を持って行った綺羅にも責任があるだろ。俺、綺羅が好きだよ」
「えっ・・・・」
「綺羅からの告白の後ずっと考えてた。俺が本当に好きなやつは誰なのか。
今まで近くに居すぎて正直綺羅のこと仲のいい女友達としてしか思っていなかったけど、この間、綺羅に告白されて自分の気持ちに気付いたっていうか、ああ、俺は綺羅のこと女友達じゃなくて女として見ていたんだなって思った。
あの時、綺羅の家に突然訪問した理由は、綺羅の本当の好きなやつが気になったから。カズなのか、あの公園で会った高校教師なのか。
綺羅が誰かのものになってしまうかもしれないって思ったら気が気じゃなかった。だから無意識に綺羅のマンションに行ってたよ」
寛人の言葉を聞いて綺羅は嬉しくて胸が苦しくなった。
大好きだった寛人が私のこと好きだって告白してくれている。
それだけでも涙が出るほど嬉しかった。
「綺羅、俺と付き合ってくれる?」
「うん、うん、もちろん!すごく嬉しい」
そう言って綺羅はしがみつくように寛人に抱きついた

