「綺羅、こっちこっち」 寛人が気づいて手を振っていた 「ゴメン、待った?」 「全然!それよりもこの本で良いんだっけ?」 「そう、これこれ!有難う!しばらく借りちゃっていいかな?」 「どうぞ」 寛人は相変わらず極上スマイルで微笑んだ このスマイルを見てしまうと綺羅は自分の封印したはずの気持ちがまた沸々と湧き上がってしまう。