普通、子供があんなに怯える事はおかしい。

別れてしまえ、と心の中で叫んでいた。



「今回来たのはね」

梓は話題を変えるかのように笑顔を見せて言った。

「たまたま、テレビ放映されていた全日本のレースを見て、翔が祥ちゃんをカッコイイ!って言うから一度レースに連れて行こうとしたんだけど、その前に今回のイベントがあったから…」



俺は。

そんな風に憧れられる存在ではない。



「どーもありがとう」

軽くお礼を言う。

「でも俺、私生活めちゃくちゃだから、子供が憧れるような存在じゃないよ」

冷ややかな目を梓に向けた。

「俺はそういう人間だから。
あまり期待しないで」