「また、会ってよ?」

ホテルを出て別れ際に普段言わない言葉。

「…いいけど」

雪野は淡々と言った。

「私、君の名前を聞いてない。
ケータイになんて登録したらいい?
遊び人、とか?」

クスッ、と笑う彼女に自分の頬が赤くなるのがわかる。

「俺は祥太郎。
遊び人とでも何とでも、言えばいいけど」