ミラクル☆レイナ

それを聞いて、私はやっと、カズくんが私に声を掛けてきた本来の目的が分かった

カズくんはクラス委員だ

だから数学のノート提出日である今日、クラス全員分のノートを集めて、先生の所まで持っていかなければならないのだ


それに気が付いた私は、慌てて机を漁って、数学のノートを見付け出した

「あ、はい……」

「……あ、ありがとう……」

そう言って、私がノートを渡そうとした時、ノートを持っている私の指先と、受け取ろうとしたカズくんの指先が一瞬触れた


それだけで、私の心臓は再度、跳ね上がって、触れた指先は、一瞬にして熱を帯びたのが分かった

カズくんを見ると、彼もまた驚いた顔をしている

私は慌ててカズくんに謝った

「ご……ごめんなさい……」

「あ……こっちこそ……」

カズくんがそう言った時だった

「カズー!それ持ってったらバスケやるぞー!」

声のした方を見るとバスケットボールをもったクラスメートの男子がカズくんを呼んでいた

「おぉ!今いくー!」

カズくんはそう返事すると、私から受け取ったノートを持って、その男子の方へ向かおうとした

その時だった