「そうか、そんなに会いたいの……困った子だね」

通常の待ち受け画面に戻った携帯を見つめながらひきつった様な笑みを浮かべた。
唇がゆがみ白い歯が微かにのぞく。

「そりゃあ会いたいよね、わかるよ晶……君の事、守ってあげなくちゃ駄目なんだから」

携帯を胸ポケットにしまいこみ代わりに一枚の写真を取り出した。
少し折れ曲がり色あせた写真の中にはセーラー服姿の愛くるしい少女が写っている。

卒業式の写真だろうか、右手には黒い筒を持ち少し泣いたような笑顔で、その少女は斜め前を向いていた。

ゆっくりと、その写真に頬擦りをする。

「心配しなくていいよ、晶。君の事大切に守ってあげる」

もう一度同じ言葉を口にした後、少女の写真に自分の唇を押し当てた。目を閉じて恍惚の表情を浮かべる。