守ってあげたい 〜伝染〜

「帰っちゃうの……?まだ8時になってないよ」

晶の強い視線にようやく何かを感じ取ったのか拓海は少し中腰のまま晶の顔を見つめ返した。

「関口、帰るぞ」

「僕はもう少し……」

「晶も疲れてるんだ、帰るぞ分かったな」

(お兄ちゃん有難う……)

拓海に促されて隼人もしぶしぶ腰をあげた。

「晶、本当に大丈夫か?」

「う、うん。大丈夫だから」

尚も未練を残す隼人を強引に引っ張って二人は帰っていった。体の力が抜け深い溜息を漏らす。
直ぐにドアがノックされ拓海が戻ってきた。

「どうしたのお兄ちゃん?」