守ってあげたい 〜伝染〜

「そうか?居ろって言うんなら居るけど……」

拓海も晶の様子に帰りかけた足を止めた。

晶は拓海の目を見つめて必死に訴えかける。

(お兄ちゃん、隼人と二人っきりにしないで)

「そうなの?まあ晶がそう言うんなら帰るけど……じゃあ小山さん一緒に帰りましょうか?」

「はい、おばさん。晶私先に帰るね。大丈夫?」

「大丈夫よ、もうどこも痛くないもん」

笑顔で力瘤をつくるポーズをとる。実際は体を起こすと少し後頭部が痛んだ。

「ごめんね、私を送ってくれた帰りに……」

「ま、真澄のせいじゃないよ!、真澄と別れてから寄り道いっぱいしたし、時間だってたってたんだから」