守ってあげたい 〜伝染〜

「そうです。お悔やみに行った帰りですから」

「たしかにあの当りは薄暗くて視界は悪いです。しかしハイビームでしかもカーブでもない、あなたを発見できなかったとは思えないんですが」

「どういう意味ですか?」

「北條晶さん、あなたを最初から狙った可能性もあります」

鬼頭の言葉に病室に居合わせた全員が沈黙した。

「残念ながら今のところ目撃者はいません。だからあなたと、一緒にいた関口隼人さんのお二人の証言しか無いんですよ」

「お前は見てないのか?」

拓海が隼人を睨みながら言う。

「すいません、もう警察には話したんですが僕も全然……」