降りた、沈黙。

ぎゅっと眉間に皺を寄せて、一旦伏せられた切れ長の目は、まるで珍獣でも見るように僕を捉えた。


「…新しい、小説の案か」


呟かれたそのことばに。
僕は思わず、噴出してしまったのだった。

くくく、と喉の奥で笑いながら、茶を口に運ぶ。
僕の反応に、さらに怪訝そうに眉間に皺を寄せた周平は、今度は大きくため息をついた。

「まじめな話なのか、ふざけた話なのか、どっちだ」

切れ長の目が、真っ直ぐに僕を見つめる。僕は視線を落として、真面目な話だよと言った。


再び流れた長い沈黙。
窓の外、木の葉が揺れる音と、微かな水の音が聞こえた。

二口目を、と茶碗を手にしたとき――周平の声が、耳に届いた。


「警察を、呼ぶ」



……友人は、似るのかもしれない。