次の駅で降りた。 私はきょろきょろしながら、探した。 新幹線は動き出した。 「あ!!」 声を出してしまった。 ゆっくり動く列車の窓から、私を見ている人がいた。 真面目そうな眼鏡。 短髪が制服によく似合っている。 私が気付いて手を振ると、手を振り返してくれた。 あいつ。 高森勇介。 覚えておくよ。 もう二度と会えないと思うけど。