DESTINY-忘れられない人-




抱き上げられた。


恥ずかしいとか考える余裕もなく、私は乗務員の男性に抱きかかえられながら

新幹線の座席の間を通った。




きっと視線浴びてるんだろうな。


あの人どうしたんだろう、みたいな目で見られてるんだろうなぁ。




体調が悪い人用に用意されている部屋には、横になれるベッドのようなものがあり、私はそこへ運ばれた。




「ここで横になっていてください。ご気分どうですか?」




答えられない私のおでこに手を当てて、熱はなさそうですね、と言った。



私のおでこ汗でべとべとなのに。





その乗務員さんは、私の靴を脱がし、私の上に毛布をかけた。