思い出の写真を見つめながら、溢れる涙を拭う。
かわいかった直。
小さい頃からいつも笑顔で、ほっぺが真っ赤だった。
かわいい妹ができたって嬉しい気持ちもあったんだ。
でも、どこかで寂しさも生まれた。
今となっては
もう後悔しても遅いけど。
どれだけ泣かせたかわからない。
直が嫌がることをたくさんした。
直が泣くと、私は喜んだ。
嫌いなわけじゃない。
かわいいけど、いじめたくなった。
直はいじめてもいじめても私の後ろを追いかけた。
だから安心していた。
この子は何をしても私の妹。
何をしても私のことを許してくれると。
でも
ふと気付いたとき
振り向くと……
直はいなかった。