「風歌さん」 夕陽にキラキラと、髪が光っていた。 長い髪を一つに結んで、ぱっと見ダセーおばさんみたいなんだけどな。 「冬歌くん、今日は学校サボらなかったのね」 クスクスと笑われる。 「たまには真面目に行くよ、俺だって」 「たまにね〜」 軍手をした小さい手で、ホースをグルグルほどいている。 「あ、手伝うよ」 「いつもありがとうね」 にっこりと笑う風歌の顔が、俺の全身をあったかくする。 自然に微笑めるんだ。 こんな俺が。