しばらく経って泣きつかれたオレは、下に降りようと部屋を後にした。
リビングの時計は午後四時だった。



まだこんな時間か…姉ちゃんまだまだ帰って来ないだろうな。



そう思うとまた涙が出そうになった。



「ムカつく…」



姉ちゃんのバカ…アホ…でも好き。



ピンポーン…



チャイムが鳴る。オレは、玄関に向かった。ガチャっとドアを開けると、顔を覗かせたのは、親友の広樹だった。



「よっ!また泣いてたのか?」



イタズラっぽい笑みを浮かべ広樹が言う。頬を摘みたかったけど、やめた。



「別に泣いてね~から!」



「はいはい…泣いてる人はたいてい言うけど?その言葉」



そう言って広樹は、オレの頭を撫でる。悔しいから、その腕を振り払ったのは言うまでもない。



少し頬を膨らます広樹を見て、少し笑った。