『ヤッター!先輩の家に行きますね?』


姉ちゃんは、嬉しそうに携帯を切った。和人先輩は、姉ちゃんの恋人。今から姉ちゃんは、先輩の家に行くみたいだ。



オレも付いていって邪魔したい。でも、ムリ…きっとオレが耐えられなくなるから。甘い空気に…



姉ちゃんは、どんな思いで先輩に会いに行くの?ね…



オレの事気づいてる?オレの気持ちに…でも、姉ちゃんは鈍感だから気付かない。絶対に…



姉ちゃんオレ辛いよ…愛してるって言いたい。でも、頑張って耐えてるんだよ?迷惑にならないように。



「和希?」



ドアが開く。オレの大好きな姉ちゃんの顔がオレを見つけた。



「先輩の家行ってくるから!」



「勝手に入ってくんなよ!」



オレの言った言葉に姉ちゃんは、頬を膨らます。その頬に触れたい。だけど、オレは必死で抑えてる。



早くオレの部屋から出ていってよ。じゃないとオレ…辛くて死んじゃうから。



必死で嫌いな振りしてるオレの身にもなってほしい。



「何よ!弟の癖に!」



ズキンと胸が切なくなる。弟だって知ってる。イヤって言う程…