シャワーを浴びながら、昨夜のことを思い出していた。

奈穂美ちゃんのこと。
一之瀬さんのこと。

悠斗くんのこと。

みんなさすが芸能人。オーラがあって、個性もはっきりしてて。

すごく輝いてた。

その中ぽつんと紛れた一般人。


でも、すごく楽しかった。きっとあたしは昨夜のことを一生忘れない。


「真澄!」

浴室から出て、廊下を歩いていると眉間にシワを寄せたお母さんが仁王立ちして道を塞いでいた。

「…お母さん…。」

「あなた、いつ帰ってきたの!」

「……1時、です。」

そう答えるとお母さんの眉間のシワは深くなった。

「ちょっと来なさい。」

そう言って、リビングにあたしを通す。

ああ、怒られる…。