悠斗くんの車は、黒いピカピカに磨かれたまるで新車のようだった。…しかも左ハンドルの外車。
悠斗くんの雰囲気によく合うお洒落な形。
「さ、どうぞ。」
そう言って、助手席のドアを開ける。さりげなく、エスコートする悠斗くん。
やっぱり、素敵な人だなあ。
悠斗くんにエスコートされるなんて、本当に夢みたい。
車内は爽やかな香りで包まれている。悠斗くんの香水か、芳香剤が分からないけれど、あたしは嫌いじゃない。むしろ、好きな香り。
「いい香り…」
思わずそう呟くと、悠斗くんはニッコリと笑う。
「ありがと。この香水、この前仕事でフランス行ったときに買ったんだ。まだ日本に入ってないんだよ。」
「そうなんですか…この香り、ゆう…眞壁さんにぴったりですね!」
思わず、悠斗くんと言いそうになった。馴れ馴れしいよね、悠斗くんなんて。
「悠斗でいいよ。」
そう微笑んで、車を発進した。


