あの日から暫く経った土曜日。悠斗はオフで久しぶりにデートをすることになった。

悠斗はやっぱり映画がいい、とその日公開の映画を観ることにした。邦画じゃなく洋画のアクション、そして字幕。
悠斗は主演は憧れの俳優なんだ、と瞳を輝かせていた。主演は知らない人はいない、大物。

やっぱり悠斗は俳優なんだな、演技が好きなんだな、そう再確認した。

「やっぱすげー！」

映画を見終わったら悠斗はそう感動をしてた。

「あのシーンの演技はさすがとしか言えない！」

こんなキラキラした悠斗は見たことない。本当にあの俳優を尊敬してるんだな。

映画館を出て、喫茶店に向かう途中、すれ違った女の人に呼び止められた。

「悠斗くん、でしょ？」