「…真澄、」

「ん?」

「いい友達を持ったね。」

「うん。ふたりはね、あたしの自慢の親友なの。」

「真澄の心が綺麗だから、人が集まるんだよ。」

あたしの頭を撫でて、どこか切ない笑顔を見せた。
どうしてそんな笑顔をするのかわからなかった。

「…俺なんかと比べものになんねえよ」

あまりに小さな声で聞き取れなかった。でも、聞き返さなかった。

「お母さんに、ありがとうございますって伝えて。」

「え?」

「真澄を産んでくれてありがとうって本当思うんだ。」

「…悠斗。」

「じゃ、俺帰るね。ふたり共、また会えたらいいね。」

くしゃってした笑顔で手を振って、去って行った。
その姿をずっと見送った。

ダリアの花、あたし…1番好きな花になったよ。
真っ赤な花弁が、今のあたしのほっぺたみたい。