こっち向け!
少しでも良いから後ろ向かないかな。

そう思うのは君が斜め前の席にいるからだ。
君の背中だけが視界に入って授業なんて集中できない。それくらい君の背中に集中してるんだ。君の真っ直ぐに伸びた背中に。

片思いが辛いのは当たり前の事だ。
自分だけが想っていても何の嬉しい事などある訳がない。もしかしたら相手には他に想っている子がいるかもしれない。もしかしたら私の事なんて眼中にないかもしれない。
そう考えるとネガティブになるが、それが片思いというものだ。

少しでも良いんだ。
こっち、向いてくれないかな。

ほんの一瞬でもこっちを向いてくれれば君の顔が見れるから。
それだけで嬉しくなれる。それだけでキュンとなる。


「あっ。」


君と私の視線が絡まった。
ビックリして思わず声が出ちゃう。

君が少しでも私を見てくれる。
君と少しでも目が合った。
私にとって、これが片思いの唯一のシアワセ。


end