「俺が自分で。
 だって、メイクの女性、めっちゃ下手なんだもん。
 任してらんない」

……うっそー。

私は思わず息を呑む。
ヒコはくすりと笑う。

「じゃ、明日の本番メイクは俺がやってやるよ」

飛び切りの美人に仕立ててやろう、なんて呟いている。


……最低。
  こんなの、絶対に友達同士じゃなきゃ出来ないよね――。

私はため息をついてから、ヒコから一本、煙草を貰って口に咥えた。


Fin.