学校の帰りに、麻薬の売人に会ってそれを追い詰めるなんて、まだ可愛いほうだ。
年齢を重ねれば重ねるほど(現在15歳)、彼女の行動は激しさを増していく。

「あ、でも。
 都さん、どうして行き止まりの方に走って行っちゃうんでしょう」

清水は言う前に、車を発進させていた。

「……本能だろう」

行き着く先は分かっている。
先回りして彼女を助けてあげないと……。

そうやって、俺が助けてくれるということを前提に、麻薬の売人に喧嘩を売っているのだろうか?

でも、コンクリートの壁を背にしたあの驚きの表情を見る限り、とてもそうとも思えない。

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