いつものように職員室に入って、鍵を取った。

「まだ、翡翠先生いらっしゃってないなぁ…」

アタシが鍵を取る最大の目的は、翡翠先生に朝イチで会うこと。

翡翠先生は結構来るのはやいから。いつも会えるんだ。

後、「朝練か。頑張ってるな。」

って言って下さった時が、超嬉しかったケン、毎日早く来る。

それ以上のことは期待してなかったのに――――




「失礼しました。」

鍵を持って、職員室を後にする。

(あぁ~、今日は冴えないかも。)

そんなことを思った途端。


ズシッ。

「え?地震?!?!」

「あ、危ないッ!!!」

ドサッ…

誰かの声がしたと思ったら――――………。


目の前に誰かが覆いかぶさった。
ほんの、一瞬の出来事だった。

何かが、唇に触れたんだ。


「ってぇ~…。あ、羽野……」

翡翠先生だった。

一瞬、どういうことか分からなくなった。


「え?翡翠……先生??」

先生の顔が少し赤い…ってことは………

まさ……か…。