生徒玄関を



 ウキウキとした足取りで



 通り過ぎようとした。



 「 お、実來早いね。 」



 ふと隣を見ると、



 缶コーヒーを片手に


 
 笑っている先生が居た。



 「 あ、先生だって早いじゃん!! 」



 「 それもそうか。 」



 先生はくすくすと笑うと、



 空を見上げた。



 「 そうだよなあー。キャンプだもんな。 」



 「 いい天気だよね…。 」



 あたしもつられて、空を見上げる。



 「 …あっそうそう。
 
 肝試しのペア、俺と実來だから。 」



 「 …っは? 」



 先生がにこりと魔性の笑みを見せる。



 …え?

 先生とあたし?



 「 あ、嫌?

 ならB組の斉藤となるけど…。 」



 …げ。

 斉藤って那智じゃん。

 那智が居たら絶対先行くし。



 「 先生宜しくね!! 」



 にこりと微笑むと、



 生徒玄関に入って行った。