桜が咲き始めて
間もない4月。

「夕美、おはよ」

「あ、舞子おはよ」

同じ塾の舞子と一緒の
クラスになった。

4年生の時に一緒だった
華澄とは離れてしまったけど
知らない子ばっかりの
中に舞子をみつけた時は
安心した。

「それにしても知らない子ばっかでさ、名前覚えるの大変そ」

「あたしも。隣の子とか
マジでわかんないし。」

舞子は首をコキッと鳴らした。運動が得意な舞子は
ショートヘアでつんつんした髪をさわっと揺らした。