「私に無理でもアンタなら出来るでしょ!?」


『確かに出来る、だが霊力の消費に文句言わないでくれよな!!
コイツの矢は姉御の霊力自体だからな!』


前鬼はギリギリと弓を引き絞りながら霊力を弓に注ぎ始めた!

すると前鬼の体から光が集まり、引き絞った弓の上に矢となって収束した!


「そんなケチくさい事今更言わないわよ!!射て!」


その号令と同時に光の矢が雷神めがけて放たれた!


それを見た雷神は、つまらなさそうに雷の障壁を忍へ向けて張った。


「何さアンタ、鬼が弓持っても同じでしょ?何回やっても同じ…。」


雷神が最後まで言い終わる前に飛来した光の矢は、雷の障壁をあっさりと通過して、彼女の頬に傷を付けた。


「え…?嘘…。」


雷神は自分の頬を伝う暖かい血に、何が起きたか把握し切れていなかった。

自分の障壁は例え銃であっても弾き返す自信があった。
当然他の術でもそれは変わらないはずだった…。

しかし、何の変哲もない弓がそれをアッサリと突き抜けたのだ!
雷神は背筋をゾクリと凍らせると、危機感を覚えて上空へと飛び上がった!