「お前は神界へ帰れると本気で思っているのか!?天照をどう説き伏せる気だ!」


透はとっさに思いもしなかった質問をぶつけていた。
彼には聞きたい事が沢山あるはずだ。しかし、口をついて出たのは天照大神の事だった。
おそらくそれが自分の中で引っかかって居たのだろう。

スサノオはその質問を鼻で笑うと、腕を組んで答えた。


「よくぞ人間の身でそこまで調べたものよ。
姉上である天照大神とて愚かではない。
我の出した答えに異論があるはずが無いのだ。」


「それは決まった話じゃない!神界を追放されたお前自身が証拠だ!」


透は不敵な笑みを浮かべるスサノオに、戦慄を覚えながらも自分を奮い立たせた。

だが、その結果はさらなる恐怖へと変わっただけだった…。


「黙れ…たかが神の創造物に過ぎん人間め。
いつから貴様等はそれほど傲慢になったのだ?身の程を知れ。」


スサノオは瞳を真っ赤に光らせると、その場の空気が凍り付きそうなくらいの冷たい声を発した。