そんな幹矢の様子に話が進まないと苛立ちながら、酒呑童子は舌打ちした。


「ガタガタ抜かさずにさっさとしやがれ!
鬼の回復力を使ってやるって言ってんだよ!!」


「わ、わかったよ!霊力を送ればいいんだろ!?」

苛つく酒呑童子の殺気に反応して、幹矢は先程と同じく霊力を送り込んだ。

すると今度は透の中へと霊力が吸い込まれて行く感覚に襲われ、幹矢はいつしか必死に霊圧を高めなければいけなくなっていた。


「なんだこの急激な霊力の消費は!?…っく!まだかい!?僕はそろそろ限界のようだ…!!」


額に大粒の汗を流して幹矢の霊圧がどんどん小さくなってきた。


「へっ!もういいぜ、坊主が目覚めたら恩着せがましく言っとくんだな。」

ガクリと膝をついて息を切らせていた幹也にそう言い放つと、酒呑童子は口を閉じて気配を消した。