カチコチカチコチと時計の秒針が動く音だけがはっきりと聞こえる…。

マンションに帰宅した透達は誰一人として話そうとはしなかったのだ。


幹矢と月読は善次郎によって海から直接出雲へと帰ったため、この事実については知らされていない。

今ここに居るのは四人だけだった。


そんな彼らは考えていた。

一体何者が白蓮を襲ったのか?

白蓮ほどの術者が何故助けを求めることすら出来なかったのか…。


白蓮を失った悲しみと共に放置しがたい危険がある事実に透達は悩んでいた。

悲しんでばかりは居られない、だがその気持ちを失ってもいけない。


暗い雰囲気の一同に声をかけたのは沙綺だった。