一条の光のみが射し込む暗い部屋に人影があった…。

ゆったりと椅子に腰をかけた人影は、天井からの光によって神々しくも見えた。

ゆっくりと頬杖をついた時に見えた顔は、どこか冷たさを感じる瞳を持つ男だった。


カラン…コロン…カラン…コロン



彼は暗闇の奥から足音を響かせてやって来た者に目を向けた。


「あら‥浮かない顔してどうしたのかしら?こんな美人が遊びに来てあげたっていうのに。」


そこに現れたのは命だった。

彼女は胸を持ち上げるように腕を組むと、いたずらが好きそうな笑みを浮かべた。


「ふん‥妖怪がいくら減ったところで心など痛むものか。
そんな冷やかしをするためにわざわざ来たのか?」


彼は怪訝そうに命にそう言った。