『あの日』




毎晩の電話



卒業を控えた君は

無理して笑う



毎晩こうして君の声を聞いて

君を近くに感じて



僕は支えられている





あの日


君はどんな気持ちで僕に話してくれたのだろう




君の抱えている大きな荷物


君の小さな体には

重すぎる荷物




君がそのことを話してくれた相手が

僕だったことが


嬉しい




君が


涙を我慢して空を見つめている姿





今でも思い出すと胸が痛いよ




こうして


毎晩電話をして

君の笑顔を毎日見ていても




やっぱりあの日の君の涙は忘れられない




ずっとひとりで


抱えてた




強くなろう

前を向こうと


必死で頑張る君を





僕が支えなくちゃいけないのに


そんな君に僕が支えられた




君の強さ

君の優しさ




僕は


あの日


君の大きな荷物を半分持ちたいと思った





でも


君はその荷物を抱えたまま


僕の荷物まで持ってくれたんだ





あの日の君を


ずっと忘れないよ





君の『おやすみ』を聞きながら


僕はあの日を思い出す