『音楽室』






俺は焦っていた



俺は怖かった




君が遠くへ行ってしまわないように


必死で手を伸ばしてた





呼び出した音楽室の中





だめだとわかっていても


止められなくて




自分がこんなに弱いと


君を愛してから知ったよ






鍵を閉めた音楽室の中で


君は無邪気に微笑んで




俺は


怖かった




抱きしめていないと



君がどこかへスルリと逃げてしまいそうで