―ゆかり―




『屋上』




重い扉の向こう



どこまでも続く青い空



入道雲に手を伸ばす



手が届きそうで届かない雲





親友の恋の相手は雲のような


そんな存在





近くて


手を伸ばしてしまうけど



手が届かない人





ずっと気付いていたんだよ



やっと言ってくれた




もう大丈夫


もう私が涙をふいてあげるから





だから泣かないで




いつか

届く



その手が