我ながら小さくくだらない考えだと思う。

しかし茉莉花のように傍から見れば聡明で美人、上品な雰囲気の彼女と付き合っていて劣等感を感じる時には、着飾ることくらいにしか情熱を注げないような女が相手なら、こんな気持ちにならずに済むのにと思うことがあった。



「…久保田さん、」



芳雄は声のする方へ顔を上げた。